初めてソープランドへ遊びに行ったらめっちゃ抜けた話

皆サーーーン!!!!!!!!!!
オッハヨウゴジャイマーーーース!!!!!!!!
九条カレンぽけです。



今回は、
失われつつあるポケモンオタクとしての自覚を
どうにか取り戻すため、
風俗レポを書くしかないと言うことで、
ソープランドへ行きました。


以前のおっパブレポを読んでくれた方が
もしかしたら居るかも知れませんが、
今回はその時のメンツと行くことになりました。


ポケモンオタクって風俗レポ好きな割に
実際に遊んだ時にそういうお店行かないんですよね。
だから高校の同級生が帰ってきたタイミングで
連れてって貰うのがお決まりの流れになってます。


とりあえずボウリングで体を温め、
串特急で前哨戦として飲み、
そこからソープランドへ向かいます。


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待ち札ナンバーワンを手にした俺は、
心なしか「今日は勝ったな」と
勝利を確信しました。


ちなみに視力が悪い僕ですが、
この日は裸眼だったので、
嬢を初め受付の人の顔も分かりませんでした。


そして、
「待合札1番の方〜」と声がかかり、
待機していた嬢と部屋へ向かいました。


嬢の顔はよく見えませんでしたが、
それなりにおっぱいは大きそう。
僕は大きなおっぱいを触るのが好きなので
にわかに心と股間が弾みました。


そして、部屋に案内され、
嬢は軽く挨拶をして服を脱がしていきます。
流石はプロ、脱がしの動きが手慣れて…手慣れ…


ん???


なんか淡白だなぁ、と思うほど、
自分も嬢もあっさり脱ぎ終わりました。
そして、風呂へ案内され、
一通り体を石鹸で洗われたあと、
浴槽へ入るように促されました。


浴槽で僕が待機していると、
嬢はただただ淡々と支度をしていきます。


そしてマットの上へと促され、
いざ、プレイの時。


嬢はローションを自分自身の体と
僕の身体に一通り塗りこみ、
その後うつ伏せになるように指示してきます。


豊満なバストをしているなぁと思っていただけあり、
素直にソーププレイは気持ちよかったです。
加えて性癖として
ローションプレイが好きなだけあって、
皆の風俗レポで言っていたような
イけないなんて事態にはならなさそうだと
少し安心していました。


そして、今度は仰向けになり
嬢が体の上を滑ります。
うーん、気持ちいい。


しかし、ここで気付きます。
僕の上でスライドする嬢の顔をよく見ると

「なんかあんまり可愛くないな…」

そう、思ってしまいました。


いやいや、しがないオタクの1人である自分に
他人の容姿をどうこう言う権利はありません。
素直にプレイに興じていたのですが、
そんなに可愛くもない上に、
非常に、非常に淡白に、
機械的に行為をこなす彼女の姿を見ていると、
とてもじゃないが射精に到れる気がしなくなってきました。


そして嬢は流れるようにゴムを取り付け、
口で刺激を与えてきます。
プロのフェラというのは以前からどんなものかと
心の中で非常に気になっていたのですが、
正直長年連れ添っていた元カノの方が上手かったです。
この辺は慣れとか好みの問題もあるんでしょうね…


で、何か流れで気づいたら挿入されてました。
挿れてる感覚はまぁ割と締まってる気がして
それなりかなぁと思っていたのですが、
時折漏らす「ンンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」という女戦士が斧を振り下ろす時のような、わざとらしく激しい喘ぎ声を出すのがどうにも気になって射精どころではありません。


そうして、少し嬢が自分の上で腰を振っていると
突然嬢が「疲れた!!!!!!!!!!」と言い
おもむろにゴムを取り外して
「手コキでいくね」と手コキを始めます。
あまりにも突然の手抜き(二重の意味で)に
思わず「えぇ…」と僕は心の中で落胆します。


その後は当然そんな状態で射精できず、
適当に手コキされて
時間になったら「はい終わりね〜」と言い
身体を流されていきます。


1時間があまりにも早く感じたと言うよりも、
あまりにも淡白に、業務的に、
一通りの行為を終えられた僕は、
不完全燃焼のような、やるせない気持ちで
思わず魂が抜けたように天井をただ見つめていました。



きっと僕は所謂「ハズレ」を引かされたのでしょう。
それでも、払った金額で
ポケカ何箱買えるな」と考えてしまうと
ただただ虚無を感じざるを得ませんでした。


今回のことでよくよく思い知らされました。
僕は「いちゃラブえっち」が好きなんです。
機械的なセックスに何も興奮を覚えないし、
ただただ虚無を感じてしまうという事に気づきました。


今回のお金はその事に気づかせてくれた
授業料みたいなものでしょう。
次にもし行くのであれば、
少なくとも指名は必須だと思わされました。


他のオタク達が味わったような、
嬢の愛情溢れたプレイや、
ソープに通いたくなるような魅力的な世界は
そこにはありませんでした。


魂が完全に抜けた僕は、
ぬるんだ夜風に吹かれ空を見上げ、
ソープ代で買えたポケモンカードを思い浮かべ、
その後寄ったコンビニで20パック買い
見事に爆死しましたとさ。


皆さんも風俗トライするのは
非常にいいことだと思います!
ただ、過度な期待はせず、
しっかりと指名をしていこうな!!!
オラとの約束だぞ!!!!!



それではまたの機会に、
ここまで読んでいただきありがとうございました。

「名前被り」のおはなし


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皆サーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!
オッハヨウゴジャイマーーーーーーーーーース!!!!!!!!
九条カレンぽけです。


今回の記事は本当は書くべきじゃないんだろうなって
思ってはいるんですけど、
どうしても悶々としてしまい、結果的に書いてしまいました。

内容の関係で自分語りも多々見受けられるのかもしれませんので
苦手な方は読まない方がいいかもしれません。



僕が「九条カレンぽけ」という名前で活動を始めて、
もう数年になります。
その中で、運良く沢山の方々との出会いがあり、
また時には疎遠になっていく人も居て、
身の回りの環境こそ徐々に変われど、
いつも沢山の優しい方々にお世話になることができています。


これだけ長く活動してるわけですから、
いいことばかりではなく悪いこともあるわけです。
そんなときに一々文句を垂れてる辺り
オタクなんだよなぁ・・・  みつを

なんて話は置いといて、
今回は題のとおり「名前被り」の話です。


何故か不思議と、
多分その辺の人たちより多い気がするくらい
自分の使う名前が他人と被ってしまうんですよね。

この話をする大前提として、
「特許もなにも取得してない、
このある種無法地帯ともいえるネットの世界で
そんなことを咎めることはできない」
というのは事実です。
この後の文もそれを念頭に置いて読んでいただければ幸いです。


自分はいままで活動していく中で、
小規模ながら飲み会をしつつポケモン対戦をするオフを企画したり、
動画投稿をしたり、
こうしてブログ記事を書いたりと、
いろいろなことをしてきました。

その都度、その全てに「名前」を付けるわけですが、
そういった一つ一つの活動の成功・失敗関係なしに
すべてが思い出に残るようにというか、
「自分の立ち上げたものだ!」と胸を張るためか、
そんな感じで特別悩みに悩んで名前を付けています。
あと単純に「センスある名前だね!」って言われたい。
もっと褒めてくれ!!!ほらほら!!!!!!


まぁそんな感じで名前を考えてるものが
びっくりするくらい他者の建てた企画や名称と
名前被りするもんで、
「俺のセンスは所詮人並みなんだ・・・」
と、へこんでいます。
半分ホントです。


まぁ前述したとおり、
だからと言って他人を咎められるわけでもないし、
使ったもん勝ちみたいなところがあるのは否定しません。

ではなぜこんなにも僕が
名前被りにうるさく言っているのかというと、
二つの理由があるわけです。

まず一つ目。
僕が「九条カレンぽけ」として活動し始めて、
まだエゴサも何もしていなかったころ、
初めて自分の名前「カレンぽけ」で
エゴサをしたんですよね。
そしたら「カレン」の部分を漢字にした人が
存在してるのを知りました。

当時の僕は「九条カレンぽけ」の名前は、
当時好きだったキャラクターの中でも、
「ぽけ」を付けた時に漢字+カタカナ+ひらがなで
2・3・2文字のバランスが取れた綺麗な形になると思い
ウキウキでこの半値を使い始めました。

しかし、どちらが先かわかりませんが
仮に僕が後発で同じ名前を使用して活動している間、
その方は同じようにエゴサなどをする際邪魔に感じ
名前を漢字にしたのかな・・・などと考えていると
非常に申し訳なくなってきました。
お相手とは面識がないし、鍵垢だったので
実際のところはどうなのか伺うことができませんでしたが、
それ以来、何かに名前を付ける際、
自分は極力被ってないか確認するようになりました。


そしてもう一つ、
前述したように僕は
小規模ですが飲み会とポケモン対戦を合体させたオフを企画し、
2回ほど開催したのち、参加者の一人が
FF内のとある人から
「面白そうなので僕も主催したい!」といった旨の話をもらったと
報告を受けました。
その際、当時僕が使用していた「酔いどれオフ」という名前を
使用してもいいかという確認をもらいました。

僕は前述したとおり、
考えた名前一つ一つに思い入れがありますが、
勝手に使うこともできる状況下で
こうしてしっかりと確認をとる丁寧さに
ある種の感動を覚え、快諾しました。

結果的にその名前をもじる形に落ち着いたようですが、
そのオフはFinalを銘打ってもなお参加者から
「また開いてくれ」と要望があがるほどの
大人気オフになりました。
僕も一参加者として楽しませてもらっています。

すべての人がそうではないかとは思いますが、
何かを考えて、命名する行為に
少なからずこだわりを持った人がいて、
そういった人たちに対して
ある種リスペクトの心を持つことは
純粋に人と人との関係を成り立たせる上で
大事なことなんじゃないかなって思います。
それが今後関わり合う可能性のある相手か否か、
そんなことは関係なしにして、
今後皆さんが何か自分の考えたものに名前を付けるとき
少しでも、手間に感じるかもしれませんが、
配慮をしたうえで行っていただけたら
きっと悶々する人が減ると思います。


長くなりましたが、
ここまで読んでいただきありがとうございました。
めっちゃ自分語りしちゃってすまん( ;∀;)

「ウマ娘 プリティダービー」は今期覇権を狙えるのか


皆サ―――――――――――ン!!!!!!!!!
オッハヨウゴジャイマーーーーーーーーーーース!!!!!!!!!!
九条カレンぽけです。

今期アニメも軒並み出そろい、皆さんの中にも
何本か追っている作品がある方がいるかと思います。

そんな今期放送アニメで今回触れていくのが

ウマ娘 プリティダービー」

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です。


そもそも前期アニメがここ最近でも異常なまでに豊作で、
ぼくを含め多数の方が今期作品一覧を見て
「不作かなぁ」
と思ったことでしょう。

そんな中でも覇権を手にしそうな作品が
シュタインズ・ゲート ゼロ と ダーリンインフランキス(継続)
だというのが皆さんの見解かと思います。
僕も何らおかしいとは思いません。

ただ、そんな2作品の中に食い込む可能性があるとすれば、
まず間違いなく筆頭として挙げられるのがこの「ウマ娘」だと
僕は考えます。

それではそんな「ウマ娘」の一体どこがそんなに良いのかを
ピックアップしていきたいと思います。


【登場キャラクターは実在した競走馬】

例えば「艦これ」が一大ブームになった時期がありましたが、
同じようにこの作品も登場キャラに皆「元ネタ」があります。
数多のキャラクターの中から見つけた、お気に入りのあの子のことを
ついつい深く調べちゃうのって、オタクあるあるですよね?
この作品はそんなオタクたちが作品を通して実施の競走馬のことを知り、
競馬そのものも好きになれる可能性を秘めています。
そうなった後でより作品を好きになる相乗効果も期待できますよね。
しかも、ストーリーがほぼ史実通りに進んでいるんです。
それに加えて競馬ファンにはうれしい小ネタが仕込んであったりと、
本当に細部まで気を遣って作られている作品です。


【可愛いキャラクターたちによるライブ】

サイゲームスの代表的な作品(というかゲーム)の中に
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラステージ」
があるのはご存知の方も多いでしょう。
この「ウマ娘」も、デレステのアイドルたちのように
可愛く着飾ってライブするという所謂アイドル要素が存在します。
「なんで競馬でライブすんだよwww」ってのは当然の意見ですが、
これ、商売としては非常に有効なんですよね。
たくさんの可愛いキャラクター、全員に充てられた声優を
無駄なく活かしつつ、楽曲人気も狙えるわけです。
純粋にかわいい女の子が好きな人も楽しめる要素になりえるかと思います。

P.A.WORKSとの強力タッグ】

アニメ知識がそれほどない方でも、
京都アニメーション」や「シャフト」が
名前だけで強いのは分かるかと思います。
個人的にはP.A.WORKSも同等クラスに強いと思っている(これは所謂諸説)ので
知らなかった人は覚えていてもいいかと思います。
代表作はSHIROBAKO花咲くいろは
最近のだとサクラクエストでしょうか。
個人的なイメージですが、P.A.WORKSさんの作品は
題材の派手さが抑えられている一方で、
キャラとキャラの関係性や心情描写を大事にしてる気がします。
しかし今回はサイゲが用意したであろう題材はかなり前衛的で
そこにP.A.WORKSのお得意なキャラ同士の掛け合いなどといった
しっかりとした内容付けが出来たなら、
非常にクオリティの高い作品になるのでは、と期待してしまいます。
あと単純に作画が安定しているだけでもオタクとしてはうれしいですね。

【まもなくスマホ向けゲームもリリース】

ここ最近だと刀使ノ巫女なんかもそうでしたが、
アニメ放送開始後にスマホゲームリリースが決定しています。
まだ事前予約期間ですべてが明らかになってはいないのですが、
見た感じ、相っ当クオリティが高いです。
この辺はさすがサイゲといった感じでしょうか。
過去に競馬ゲームはスタポケをプレイしていましたが、
観た感じシステムは大分近いです。
つまり、「本格的な育成ゲーム」であり、
「可愛い女の子を育てられる」という、
オタクには2重に嬉しい仕様となっている可能性が高いです。
さらにはコチラでもライブパートが健在だったりと
純粋に女の子を愛でることにも力が入っています。
前述したとおりリリース前ですが、
事前登録者数でもらえる報酬がグレードアップするんで、
悩んでる人はしてみてください(*'ω'*)


・・・とまぁ、長々と書きましたが、
何が言いたいのかというと、
ウマ娘はサイゲが本気で『売れる作品』目指して作ってる」わけです。
上述したように数々のヒット作のいいところを盗んで、
それでいて新しい、いい作品を作ろうという、
作り手の熱量が細部細部からは伝わってきます。
しかし、これだけの本気度で作られた作品でも
ヒットするか否かは運次第です。
ある意味そういう部分も競馬に似ているのかもしれませんが、
僕はいいものはそれに見合った評価をされてほしいと思います。
(もちろん好みは人それぞれですが)

このまま、もしかしたら今期馬権を通り越して
今期覇権になれるかもしれない。
僕はそんな期待をしながら作品を追っていこうと思います。

まだまだ語り漏らしたであろう魅力が
いくつも眠ってると思います。
もしこれを見た皆さんが、
大した理由はないけど観てないや~、などという感じだったら
是非!一度観てみてほしいと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

【オフレポ】へべれけオフは女の子と話せるって本当ですか?

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皆サーーーーン!!!!!!!!!!
オッハヨウゴジャイマーーーーーース!!!!!!!!
九条カレンぽけです。


今回は、こんのさん主催で行われたポケモンオフ、
「へべれけオフ -Final-」
に参加してきたオフレポを書こうかと思います。


ところで皆さん、
このブログ記事のタイトルにもなっている、
「へべれけオフは女の子と話せる」っていうの、
マジだと思いますか?


結論から言うと、

「マジです」

僕のようなうだつの上がらないオタクでも話せました。


ここで1つ、念の為注意書きをしておくと、

『へべれけオフは異性との出会いを助長するための会ではない』

というのだけは皆さんお間違えのないように。
あくまで、従来のポケモンオフのいい点である、
「同じ趣味を持つ人達が集まって対面しながらゲームする」という要素に飲酒を付随することで、いつも以上に男女問わずコミュニケーションを取ることが出来る、というのが、このオフの醍醐味だという様に僕は考えます。
他のオフに比べて見学参加の需要が高いというのも、こういう要素によるものだと思います。


少し話は逸れましたが、僕のようなオタクでも、いかにして立派に女の子とコミュニケーションを取れていたのか?!また、へべれけオフはどんな様子だったのか?!これからそれをつらつらと書いていきますので、長くなりますがお付き合い下さい。



ちなみに僕のスペックです。

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・アラサー
・自称女子高生
・オタク
・カルピスとポテトチップスが主食
・夜な夜な全裸で公園まで走りブランコを漕ぎながらハナミズキを熱唱している


こんな僕のオフレポとなります、それではどうぞ。


まず当日、僕は友達のぐーい、小泉、ネロ、いっちーに呼び出され、少し早めに東京を訪れ、日暮里にある和栗パフェを食べに行きました。

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日暮里の商店街、めっちゃ雰囲気すこってた。

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こちらがパフェ。画像見づらくてごめんね。

その後、新宿まで出てきて街をブラブラ。
途中で見つけたローストビーフ油そばという食べ物にオタクの食欲を刺激され、思わず入店。

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美味すぎて思わず全裸になった。


その後、会場へ足を運び、対戦参加者向けのブロックへ。
ウィスキーブロックだったと思います。
同じブロックのメンバーは、
クゥリさん
なとまきさん
化野香撫さん
パリー
でした。
とりあえずパリーには負けられねぇ。そう思いつつ対戦開始します。

ここから一瞬ポケモンの話になるから、
興味ない人はある程度飛ばしていいと思います( •̀ᴗ•́ )/

ちなみに僕が使用した並びはこちら

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急なお願いをしたにも関わらず、個体を貸してくれたreboさんには感謝しかありません( ˃̣̣̥ω˂̣̣̥ )


さて対戦、初戦はクゥリさん。
ブラマンダアシレナットドランゲンガーという並び。
余談ですがこの方がこのオフで優勝することになります。
だからここだけめちゃくちゃちゃんと書こうと思うんですけど、オタクってこういう所あるから友達少ないと思いませんか?僕は思います。

僕はゲコヘラクレセ、クゥリさんはブラッキードランマンダという並びで来ました。
クゥリさんに「絶対アーゴヨン出すと思ってた」と後々言われたんですが、型の都合上ブラッキーを一撃で倒せないため欠伸で流されると判断してヘラにしたんですよね。ゲコはアシレマンダゲンガーに出し負けないための重要な駒、クレセはマンダに対する引き先兼ヘラを活かす為の重要なサポート役です。

試合はクゥリさんの丁寧な立ち回りに押され、トリル三日月後のヘラVS少し削れたブラッキーメガゲンガーという展開に。
後が無くなった僕ですが、なんと今期「りゅうおうのおしごと!」という神アニメを視聴していたため、さながら雛鶴あいのように(こう…こう…こう…こう…)と呟きながら身体を揺らすことにより極限の集中状態《ゾーン》に突入します。

(もう1度情報を整理するんだ…)
くじょ竜八一は盤面の状況と勝利条件を思い描く。
こちらはメガヘラクロス
ブラッキーへの打点になるミサイルばり、
ゲンガーへの打点になる地震
アドバンテージに直結する身代わりがある。
トリックルームは残り3ターン、
ゲンガーの異常祟り目は1度は耐えるようになっている。

そして相手は願い事欠伸守るイカサマブラッキーと、
催眠祟り目ゲンガーだ。
イカサマでヘラクロスの身代わりは確定割れしてしまい、トリックルーム下での行動順はブラッキーヘラクロス→ゲンガーという状況。

こちらが確定で勝つためには、
1.起きた状態のトリックルーム下でゲンガーと対峙
2.身代わりを残してゲンガーと対峙
のどちらかの条件が必要になる。
五分に持ち込むためには、
トリックルーム下でゲンガー相手に2回以上行動できる状態で対峙する(催眠をかわすか起きて殴る)という条件が必要になる。
逆に、こちらが確定で負けるパターンは
1.欠伸で眠ったターンに死に出しゲンガーが出てくる
2.ブラッキーに削られ、ヘラクロスが祟り目を耐えられない体力になる
の2通りを想定した。

これらを全て追った時にこちら側がしなければいけないのは、
1.トリックルームが切れる残り2ターン目以降欠伸を被弾しない(したとしても最悪そのターンにブラッキーは突破しないといけない)
これを守ってもゲンガーが身代わりを持っている可能性を考慮する必要があるため、ゲンガーに地震ではなくロックブラストを押さねばならなくなる。出来ればこれを追う勝ち筋にしたくない。
2.身代わりを残してブラッキーを突破する
これが難しいのはブラッキーにトリル下で上を取られているためだ。だが、ブラッキーとゲンガーの補完でトリルターンを維持するのが厳しい以上、こちらが勝ち筋として意識せねばならないのはここになる。

この時点で、こちらの立ち回りが目指すところが「ブラッキーが行動できないタイミングで身代わりを残す」ことに確定する。

1ターン目(トリル残り4)
ヘラクロスブラッキー対面。
ここで欠伸を入れられてもブラッキーが突破できればゲンガーに上を取れるため、こちらはまずブラッキー突破を意識する。ミサイルばり選択。
相手のブラッキーは守るを押してきた。トリルターンを枯らしたいという意図が伝わる。

2ターン目(トリル残り3)
守るが押せない以上、ここはブラッキー側の欠伸かゲンガーバック(ミサイルばりを受けるため)の選択になる。
こちらはゲンガーバックが見えているため地震を押すことが出来るが、仮に欠伸を選ばれた場合に負けが決定する(守る→ヘラ就寝→イカサマで削り→ゲンガーで〆というパターンが見える)ので、ブラッキー突破を意識したミサイルばりを選択。多少盤外戦術になるが「ゲンガー引き見えてる」という旨の発言をこぼし、それを聞いた相手にそのターンミサイルばりを押していることで「ブラッキーを重く見ている」という意識を植え付けようとする。これは次のブラッキー対面(ゲンガー引きをした場合、また次のターンブラッキーに戻す可能性が高いため)で相手にトリルターン消費のため守らせたいという願望を込めての行動である。
こちらの目指す着地点はトリル最終ターンに身代わりを置くことであるため、そこへ向けての小さな布石を打つ形になる。
相手はゲンガーバック、HPはおよそ55~60%くらいまで削れた

3ターン目(トリル残り2)
ヘラゲン対面。完全にこちらの有利対面。
こちらとしては身代わりが最安定択…となりそうだが、
一度身代わりを見せているため、それを読むのも容易かもしれない。それ読みで殴られて下から身代わりを割られた場合、今度はこちらが地震しか押せなくなる(ラストターンに同じ行動を取られた際、身代わり2回のダメージと相手のゲンガーの上からの攻撃でヘラが落ちる可能性が高い)。一方向こうはブラッキーバックからの切り→ゲンガー死に出しで上から催眠を当てられると負けになる。そのため、身代わりを残し、ブラッキーが出てきてもトリルが切れるまで身代わり連打で切れたらブラッキー突破…というルートを辿れたらいいが、それよりも負け筋を潰す意味で地震を選択。
相手はブラッキーにバックした。

4ターン目(トリル残り1)
ここが勝負のターンである。
相手が願ったとおり守ってくれたならほぼ勝利、
欠伸だった場合、最速起きをしなければならなくなる。
ここまでのターン、素直に行動してきたという布石もある。身代わりで欠伸発動ターン消費をするのは、俺ならメガヘラクロスというポケモンに対して行うのはあまりしたくない。自身の願望の至る所に理屈を付けて飾り、一度深呼吸をする。
手は震えてない、いけるーーー!
「これがッ!俺の一手損角換わりだァァァァァッ!!!!!!!!!」
一閃、空を裂いた指先が身代わりを押す。これが後に『一手損角身代わり』として語り継がれる戦法の生まれた瞬間である。
(※一手損角身代わり・・・いってぞんつのみがわり。一本角ポケモンであるヘラクロスが、失敗すれば大きな損失となるタイミングで身代わりを使用することを指す)

ブラッキーのまもる!』
ーーー通った
ブラッキーは守りの体制に入った!』
ーーー身代わりが通ったのだ。
「いよォォォォォっし!!!!!!!!!!」
思わずガッツポーズをするくじょ竜八一。
颯爽と身代わりを召喚するヘラクロス
盤面が一気に動き出す。
トリックルームが消え、ヘラクロスが上からミサイルばりを放つ。放たれた無数の針がブラッキーを貫く。
耐えるか?いや……耐えやしない。
高い耐久値を誇るブラッキーも、ヘラクロスのミサイルばりを受け切ることは出来なかったのだ。
盤面に身代わりを残したまま、ゲンガーとヘラクロスが対峙する。
ここで対戦相手の投了が入った。熱を帯びたくじょ竜八一の身体から一気に熱が逃げ出し、その場に脱力する。
ーーーこうして、彼は勝利を手にしたのである。





ってな感じで書いたらなんか激戦みたいに見えます?
実際は僕のクレセがゲンガーの催眠を避けたので半分運勝ちでした。
雛鶴あいちゃんには「くじょーのだらぶち!」って怒られました。これ割とご褒美ですよね?


てな感じで初戦勝ったんですけど、結果2-2で予選落ちです。そのほかの試合はこんな感じ

・なとまきさん戦
シルヴァディ、タイプヌル、ドリュウズチャーレムとかいた。相手のチャーレムがクレセに飛び膝してきたと思ったら何か俺のゲッコウガが死んでた。負けた。

・パリー戦
リザがいた。ニトチャされないように気をつけた。
勝った。

・化野香撫さん戦
ジャラランガがいた。アゴとかゲッコウガおったら出てこんやろと思った。ボコされた。

こんな感じです。ポケモン難しい。
よくわからんポケモンばっかで普段レートしてたら「なんだよお前ら万国びっくりショーかよふざけんな」って間違いなくキレてると思うんですけど、オフで面と向かって話した上で対戦してると、相手がいい人だったり、気さくだったりすることもあってか、負けて悔しいのはあるんですけど全然キレたりdisったりしないんですよね。
これってオフのいいところの1つだと思うんですよ。面と向かってゲームをするときに、少なからず相手とお話をする訳で。ゲームは必ず相手が居て、それで成り立ってるんだよって再認識できますよね。


そして、予選終了後はほかの人とフレ戦しまくりました。
やすらさんをボコし、俺の構築をSDで回してたあひるさん倒したから型わかるでWとか言ってたいっちーにボコされ、凹んだ私は荒野行動を募集しましたが誰も釣れませんでした。




さぁそして皆さんお待ちかねの主題のほうへ入っていきますよ!!!!!
運営のやくみさんの所へ行くと、ぐーいとやくみさんが1人の女性とお話をしていました。
ゴーグル越しにしか話せないとか抜かしてたぐーいと、普段は女に興味なさそうな素振りを見せている南やくみの両名が、女の子を前にデレデレしている………………………その姿を見て僕は憤りを覚えました。お前らあのTwitterでの姿は嘘だったのか。俺たちはそうじゃないだろ。男同士の、熱い、熱い友情さえあればそこに女なんて要らないって、ズッ友だよって言ったのに……………………………それなのにお前らは女の子と……………………………いいさ、俺のように女に媚びない硬派な男が一番だってことを、もう1度お前らに教え


「どうも!!!!!!!!!!こんばんは!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!僕九条カレンぽけっていいます〜よろしくお願いします♡」



そう言って僕も会話に混ざりました。


オタクだから気付かなかったんですけど、女の子と話したいけど話せないオタクはね、まずは女の子と話せる男友達を作ればよかったんですよ。
将を射んと欲すればまず馬を射よ、まさにその通りなわけです。
こうして僕もお友達のおかげで一線を超えることが出来たわけでした ー完ー


ってな感じで話してたらやくみさんが女の子にセクハラしようとして小泉がマジで殴ってました。小泉最高。
皆さんもセクハラはやめましょうね。



そんなこんなでへべれけオフは終わりを迎えました。決勝の安定と化している回線落ち、じゃんけん勝負、第5回開催ーーーー。様々なドラマがあの空間にあったと思います。僕はせゐるから貰ったポイフル食ってました。


終わったあとはぐーい、ネロ、いっちー、小泉、くれあさん、ほりでぇ、せゐる、パリーとカラオケでオールしました。
ゲス話が楽しすぎた。
小泉の性癖を暴いた俺を褒めて欲しい。


退店後はラーメン食いに行って帰宅しました。
帰宅したあとそのまま荒野行動やってたの割とガイジレベル高くないか?


ってな感じで、色々書き漏らしもあったかもしれませんが、相変わらず楽しいオフでした!
次回もきっと行きます!

主催のこんのさん、運営の皆様、話してくださった皆さん、本当にありがとうございました!またどこかでお会いしたら仲良くしてくれると嬉しいです( •̀ᴗ•́ )


それでは、お疲れ様でした!

【三題噺】絵空模様【バレッタ/携帯電話/絵はがき】

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皆サーーーン!
オッハヨウゴジャイマース!!!
九条カレンぽけです。


今回は、唐突に文章が書きたくなったので、以前フォロワーさんたちと行った三題噺を1人でやってみました。

【三題噺とは?】
指定された3つのキーワードを用いて作文書く的なものです。

お題は、
バレッタ
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オタクは知らないですよね。僕も知りませんでした。
髪留めみたいなものです。

【携帯電話】
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化石じゃないよ。
今はスマホが普及してますが、今回はこちらをイメージしてください。

【絵はがきf:id:karen_poke:20180115174046j:plain
その名の通り絵を描いて出すハガキですね。

今回はこのお題をもとに書いていきます。
前回より短くなると思うんでよかったら読んでくれると嬉しいです!!!
それではどうぞ( •̀ᴗ•́ )/

****

絵空模様


夕闇に染まる道を歩く。はぁ、と吐いた白い息が悴んだ手を覆い被せ、すぐに消え去った。
先輩と二人で帰ったこの道を一人で歩くようになってもうすぐ一年が経とうとしている。そんなことをふと思い出し、風はよりその冷たさを増したように感じた。

先輩と私は同じ美術部だった。
人懐っこくて優しい先輩に、内向的な私が惹かれるのにそう時間はかかることもなく、入部してから1年が過ぎた頃に勇気を出して告白した結果、初めての恋が実ったのだった。
先輩は優しかった。何もかも初めてだらけで戸惑う私に足並みを合わせて、ゆっくり、ゆっくりと、少しずつ幸せな時間を積み重ねていった。

だが、時間は有限だった。
先輩は程なくして卒業、東京の大学へと進学していった。私達の住む町は所謂田舎のようなところだということもあり、進学するには必然的に遠く離れた地へ行くことになる。頭では当然分かっていたことだ。しかし、私は大好きな先輩が遠くに行ってしまうことがあまりにも辛く、先輩の前でみっともなく泣きじゃくってしまった。そんな私の頭を、やっぱり先輩は優しく撫でながら「遠距離でも大丈夫だよ。一緒に頑張ろう」
と、慰めてくれたのだった。

先輩が東京へ行ってからは、こまめに連絡を取り合った。電話やメールという手法で気軽に連絡が取り合える時代だったことに本当に感謝している。
今日も私は、帰り道で先輩への一日あったことを報告するメールの内容を考えながら歩いていた。

ふと、空を見上げる。
透き通った空気の向こうで、もう殆どが暗く染まった夜空にぽつり、ぽつりと輝く星が並ぶのを見つけた。
「そういえば、都会は星がよく見えないって言うもんね」
私は、携帯電話のカメラを起動し、夜空めがけてシャッターを切った。
静かな町に微かに響いたシャッター音の後、ディスプレイに表示されたのは、ただ真っ黒に映った空だった。
むぅ、どうにか綺麗に写せないものかな。
空は夕陽と闇夜が入り混じった綺麗な色をしているし、星はそんな夜空に白くアクセントを加えている。こんなに美しい空でも、カメラ越しでは何も分からなくなってしまう。きっと日頃と大した差のない風景なのだろうけど、目にしてしまったからには残しておきたくなってしまうし、先輩と綺麗なものを共有したい。
しばらく悩んだ末、私は名案を思いついた。
「そうだ、絵はがきにして先輩に送ろう」
そう呟いて、小走りで帰路を辿った。


「さぁ、描くぞ」
帰り道で買ってきたはがきと、水彩絵の具を自分の部屋の机の上に広げる。
「思えば、こうして絵を描くのも久しぶりだなぁ」
先輩が卒業してから、私は三年生になり、進路を決めねばならなかった。それまで特に希望がなかった私は、東京の大学へと進学を希望した。しかし、先輩の大学に入るためにはもっと成績を上げる必要があったため、部活を引退して以来ずっと勉強漬けで絵を描くことがなかった。
私は久々に握った筆に少し心を弾ませたものの、ハッと『いつもの準備』をしていなかったことを思い出し、一旦筆を置く。そして、長く伸びた髪を後ろで纏めて、バレッタで留めた。
まだ付き合う少し前、部室で絵を描く私のところに突然先輩が現れて髪の毛をふわりと持ち上げ
「ほら、髪が汚れちゃうよ」
と、優しく後ろで纏めて持ってくれたことがあった。初めて男の人に髪を触れられたこと、それが大好きな先輩だったこと、色んなことにドキドキとして、思わず舞い上がってしまうかのような気持ちになった私は、それ以来、髪を伸ばすようになった。
そうしていると、先輩がふと気づいて来てくれる。ちょっぴり狡いやり方なのかも、なんて思ったけど、それ以上に嬉しくてたまらなかった。
付き合い始めてから、しばらくして先輩と卒業の話をするようになり始めたころ、
「先輩が卒業しちゃったら、私の髪の毛が絵の具でいっぱい汚れちゃいますね」
なんて冗談混じりで言ったら、確かに!なんて笑っていた先輩が、後日私のところへ来て
「俺が卒業したら、今度はこれ使ってよ」
なんて言いながら、可愛い星のついたバレッタをプレゼントしてくれた。
それ以来、私は絵を描くとき、ずっとこのバレッタで髪を纏めるようになった。先輩が傍に居なくても、先輩の優しさが感じられるような気がして、心が温かくなった。

髪を纏めた私は、筆を握ると、絵はがきに夜空を描き始めた。すぐ傍の窓から覗く月明かりが手元を照らし、窓の外を見上げると、紺碧に広がった空いっぱいに小さな星明かりが煌めいていた。
先程とはまた表情を変え、それでいて劣らず美しい夜空に私は息を飲み、その夜空の紺碧をはがきに落としていく。
ーーーこんなに綺麗な空だったら、先輩もたまには帰って来たくなっちゃうかな。
絵はがきを受け取った先輩の表情を思い浮かべながら、軽快に筆は進んでいく。

そうして一通り空を描き終えたところで、携帯のディスプレイに『新着メール 一件』と通知が来る。
「先輩だ!」
まさに想い浮かべながら絵はがきを描いていた相手からのメールに笑顔を浮かべながら、私は携帯電話を開いた。
そして、先輩から送られてきたメールを、一文一文しっかりと読んだあと、月明かりの覗く窓を見上げる。

窓の外には、滲んだ星空が広がっていた。

私は、もう一度筆を取り、はがきに描かれた夜空へ白く輝く星を落とす。

とっ、とっ。
小さな星を何度も、何度も。

とっ、とっ。
先輩へのたくさんの想いを。

とっ、とっ。
大好きな先輩との思い出の数だけ、私は夜空に打ち込んだ。


****

【エピローグ】


空が白み始める。
窓から射し込む柔らかい光が、すやすやと寝息をたてる少女と、宛先の無い手元の絵はがきを照らした。
数えきれないほどに打たれた白い星は滲み、空に溶け、窓の外から覗く黎明の空と同じ色をしていた。


【風俗レポ】こじらせたオタクが初めておっパブに行った話

皆サーーーーン!オッハヨウゴジャイマーーーース!
九条カレンぽけです。

今回の記事は、すっかりオタクをこじらせたキモオタの僕が、人生初のおっパブに連れてかれたお話です。

****

事の発端は元旦、深夜1時半過ぎくらいに突然掛かってきた高校の同級生からの電話でした。
「あけおめ!飲みにいこうぜ!」
まさにウェイの権化と言わざるを得ない行動力である。
そんな同級生と、その幼馴染み(♂)、もう1人高校の同級生を交えて4人で飲み会をすることになりました。

午後3時過ぎ、待ち合わせ場所に指定されていた駅前のローソンに辿り着きました。しかし見知った顔はそこにはない。待ち合わせ時刻を過ぎていたので連絡を入れると
「今(ローソンとは反対側の)喫煙所にいるよ」
との返事が。開始早々こいつらはポケモンオタクに引けを取らないほどのガイジなのでは?とこの先のスケジュールが心配になります。

合流後、そのままボウリングへ。
朝から何も食べていなかったため、チュロスを購入し食べていると、同級生二人はプレミアムモルツを購入しグイグイ飲みながら投球していました。こいつらボウリング場を飲み屋と勘違いしてないか?呆れ果てた僕はスミノフを購入し飲みはじめました。

そんなこんなで賭けボウリングに勝利しボウリング代を0円に抑えたところで、居酒屋へ足を運びます。

男4人、しかも彼女ナシの面々が集まった訳だから、下世話な話が始まらない筈がない。直ぐに話題は

「風俗行きたくない?」

というものに行き着きます。
お恥ずかしながら、人生で1度も風俗の門を叩いたことがない自分は、1人の男子として当然のように風俗に興味を持っていました。
幸か不幸か、前述した通り現在彼女も居ない、止めるものは何も無い状況だったため、自分も勢いよく乗っかっていきます。

さて、ここから行く店を選ぶのですが、一口に風俗と言ってもピンサロ、ソープ、キャバクラ、ガールズバーなど様々なものが存在します。
ピンサロやソープといったものは射精に至ることが期待できるかわりに高価になり、キャバクラやガールズバーはそういったことが出来ない代わりに安価で抑えることが出来る(遊び方にもよるが)そうです。
そして今回は、その丁度中間地点と呼べる位置にある「おっパブ」に行くことになりました。
ちなみに、僕も今回行って初めて知りましたが、おっパブというのは「上半身のみ良識の範囲内で何してもOK」って感じのお店です。
太もも触ったりしたらペナルティですし、射精もできません。ただ揉んだり舐めたり(軽く)吸ったりキスしたりする感じです。
当然この知識を得た段階の自分は「高い金払って射精ナシとかおかしいだろ!!!!!!!!!!」なんてことを言っていたのですが、おっぱいへの愛には抗えません。満を持してお店へ入りました。

お店へ入ると、なんと30分ほど待ち時間が発生していて、その間隣接するキャバクラに行くことになりました。こちらになんと中学時代の同級生がいて心の中で思わぬ偶然に笑ってました。

そして、時間になり、いざおっパブへ。

入店し着席するなり、4人の隙間隙間に女の子が配置されていきます。女の子たちは微妙にコスプレ要素を含んでいるようで、僕の相手は女教師(わりとかわいい)でした。ほかの3人に付いた人を見回しても、恐らく「当たり」と言えるレベル。心の中でガッツポーズをしていました。

黒髪のボブでスーツに身を包んだ女の子(まひろちゃん)が僕に飲み物をお酌してくれて、乾杯してから会話開始。出だしは普通のキャバみたいな感じでした。
「こういう店初めてで緊張してるんですよね」
って普通に言ったら可愛いって言われました。アド。
後で聞いたら自分より4つくらい下の子でした。そんな子に可愛いって言われちゃうのめちゃくちゃオタク感ありません?
そんな感じで他愛もない雑談をしていると、お楽しみタイム的な感じで女の子が自分の太ももの上に跨って来ました。いやこれどうしたらいいんだって困惑してるとまひろちゃんが耳元で「脱がせて」って囁いてきました。オタクってこういうの弱いんですよね。とりあえずブラウスのボタンを外すと、思ったより控えめなおっぱいが露わに。おっパブってみんなおっぱい大きいのかと思ってたんですけどそんなことなかったんですね。そこは期待してた分少し残念に感じました。

そんな感じで脱がすだけ脱がすと、まひろちゃんの方からキスしてきました。軽いのから深いのまで一通りしてみた感じ、流石こういう仕事だけあってキスは割と上手いな〜とオタク特有の上から目線で分析をしてしまいました。本当オタクはタチが悪いですね。

とりあえずおっパブと言うくらいだから、おっぱいを揉んだりしとこうと思ったのですが、期待してたほどの容量がなかったこともあり、とりあえず欲望のままに揉む!というより、彼女にする前戯みたいな感じで揉んでいると、まひろちゃんは度々感じた甘い声を出したり、僕の股間の上に股を擦り付ける動きをしてきました。流石風俗、サービス精神旺盛だなーなんて思ってたんですけど、これ案外やってくれる人いないみたいですね。普通に気持ちよくなってたんだとしたらちょっと嬉しいです。
そんな感じで暫く楽しんでるとまひろちゃんは「ねぇ…このままここに居たいんだけど…」と囁いてきます。所謂指名って奴ですね。料金プラスされちゃうんでするつもりは無かったんですけど、周りにやっぱり「ハズレ」みたいな子もいることや、股ズリサービスとかが普通に嬉しかったこともありそのまま指名することに。
その後もお酒やおつまみで見事に貢がされました。いやほんと上手だなぁと思います。
お仕事だと分かってはいるんですけど、普段こじらせたオタクが可愛い女の子に可愛く微笑まれながら「かっこいい」とか「可愛い」とか「今のお客さんの中で一番タイプ」とか言われたらそりゃ抵抗出来ないですよね。慣れてなさすぎて普通に嬉しいし照れちゃいました。ちょろい。
あと、LINEを交換することになった際、まひろちゃんが登録作業をすると僕からスマホを取って操作した際に

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この待ち受けと、

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このキーボードをおもっくそ見られて死ぬかと思いました。普通にノリノリだったからさらにまひろちゃんの好感度が上がった。

そんなこんなで時間が終わったのですが、連れの1人がノリノリで延長。流れで僕らも延長することに。ちょっと嬉しかったとか言いませんけどね。ええ。

延長してからは普通にイチャイチャカップルみたいに雑談してました。癖みたいな感じで女の子の頭撫でちゃう事が多いんですけど、撫でてたら「もっと撫でて」って甘えてくる感じもオタクに刺さりました。


そんな感じで延長1回と指名やドリンク諸々込みで18000円。普通に本番出来る値段になってしまった訳ですが、不思議と後悔もなく、寧ろただ1度SEXするよりも心が温かいもので包まれたかのような感覚になりました。私事ではありますが、先日彼女と別れ、風俗に行く前日たまたまその彼女に出くわしたことも原因してるのだと思うのですが、普通に彼女と今までしていたかのような内容なのに、この上ない幸福感を感じていました。きっと自分でも気付かぬダメージでもあったのでしょう。

とまぁ、そんなこんなで今回の風俗レポは終わりですが、全部のおっパブがこんなにいい訳では恐らくないと思います。たまたま僕が運良くいい子に当たっただけかも知れません。それでも、あの時間、確かに僕は今年一番幸せを感じることが出来ました。

皆さんの中にも、風俗に興味があるという方が何人か居るかと思いますが、他の方のレポでもあるように必ずしもいい結果になるとは限りませんが、お財布などと相談し、計画的に1度行ってみてもいいと思います。

【三題噺】Twilight Sky【お題:兄/銀/夕暮れ】

この度、女装オタクの有馬さんに誘われて三題噺を書くことになりました。
他にも数名参加者さんがおります、合わせてお読み頂けると幸いです。
↓リンクはこちら↓
三題噺「兄」「銀」「夕暮れ」 - 夢も希望もないポケモンブログ


【三題噺ってなに?】
なんか複数人でお題を共有して、それぞれそのお題が含まれたお話を作ろう的なアレです。

初めての物書きなので色々と拙い上に長くなっちゃったので、読むのは大変かと思いますが、是非お時間がある時にでも読んでいただけると幸いです。
それでは、どうぞ。

****

『Twilight Sky』


全く、世の中というものは上手く出来ているものである。
「何か」で優位に立てる存在というのは、その分「別の何か」で劣る存在になる。
同じ人間に二物も三物もなかなか与えようとしない神様の優しさか、悪戯心なのか……そんなことは置いといて。
生まれて十余年、ごく一般的と言えるであろう生活を送ってきた。良く言えば何の不自由もなく、悪く言えば世間から注目されることもなく、聞く人が聞いたらきっと猛烈に怒られるとは思うが、しばしばそんな「普通の自分」に嫌気がさす。
そんな、ある種の贅沢とも言える悩みを抱える俺には二つ下の弟が居る。そう、弟が居るのだ。
こんな「そこら中の人達が特技にしている事を一日見学してきました」くらいの知識と技量しか持ち合わせていない自分の弟なんだから、さぞかし中途半端な人間なのだろうかと思えば、なんということだ。同じ親から産まれたのに自分と比べて……いや、同級生全員と比べたっていい。運動をさせたらどんな事だって一際輝く存在になり、勉強に於いても上位に名を連ね、容姿は自分と兄弟だけあって似ている。そう、似ているのだが明らかに「質」が違う。俺の身体の全てを一流の職人が上手に仕立て直したかのように整っている。そんな高スペック弟なのだからさぞかし内面でも腐っているのかと思えば、あぁなんと無情なことか。この弟、性格までしっかり出来ているのである。優しさを持ち合わせつつも、年相応の無邪気さを兼ね揃えていて、いつも友達に囲まれている。もし「上位互換」という言葉に実家があるのなら、きっと俺と弟の間に存在するのだろうと言いたくなるような存在だ。
そんな弟に対して、俺は『兄』という点でしか優位性を持つことが出来ない。そんなことを考えてしまう自分の醜さに対してまた嫌悪感を抱く。こうした一種のコンプレックスのような感情を内に抱えつつも、何とも出来た弟である故か、兄として誇りに思ってもしまう。これもきっと弟が優れた存在だからこそなのだろうが。

はらり。

そうやって無駄に自分の境遇を見つめ直しながら歩いていると、街路樹から色付いた葉が僅かに濁りを混ぜ一枚、一枚と降ってくる。
「秋も終わるなぁ」
思わず溜息混じりの声が漏れた。
もう木の葉も色を搾り終え、冬を待つ時期。俺達にとってそんな季節は、こうして降ってくる落ち葉の色のように、僅かな期待と不安がおり混ざったものだ。
俺は高校で美術部に所属している。
秋と冬の狭間、芸術の秋に別れを告げる為の祭りであるかのように、この時期になると辺りの高校が合同で絵画コンクールなるものを開催し、美術部員は総出でこのコンクールでの受賞を目指すことになる。当然俺も例外ではないし、何となくの趣味の延長線上とは言え、好きで入部したこの美術部の一大イベントには、人並みに熱が入っている。
今年で三度目、このコンクールを終えると本格的に進路に備えての活動が始まるため、部活も引退となる。一年の頃はただ作品を完成させるだけになってしまったが、二年の時にはこのコンクールで銅賞を獲得することが出来た。何か賞を貰ったことなんて人生振り返っても一度たりともなかっただけに、当時誰もいない所で嬉しさを抑えきれずガッツポーズをして喜んだ記憶がつい先日の事のように浮かんできて、つい顔が蒸気してしまう。
「おい兄貴〜、何ニヤニヤしてんだよ」
ふと耳の近くで声がした。あまりに突然の出来事に跳ね上がる心臓の勢いのまま明後日の方向に飛び出してしまうと、そんな様を見た弟がケラケラ笑いながら立っていた。
「ビックリさせるなよ、陽介」
俺は今もなお跳ねている心臓を抑えながら、一つ咳払いをし、改めて弟の陽介の隣に並び直し、歩き出す。
「ごめんごめん。なんか嬉しい事でもあったの?まぁ大方、『これから起こるであろう嬉しい事』の妄想でもしてたんだろうけど?」
陽介が意味ありげな笑みを浮かべながら問いかけくる。ぐぅ、こいつは昔から察しがいいんだよな。
「うるさいな、別にそんなんじゃないって」
口では強がって否定したものの、実際そうだった。三年間の部活を通して少しずつ自分も成長してる自信があったし、昨年の受賞も含め、人生で初めて「特技」と呼んでもいいのかな、なんて思っていた程度に絵を描くのは好きだし、それなりに自分の技量に対して自信を持っていた。
今年こそは金賞を。その一心で去年以上に工夫と時間を注ぎ込んで仕上げた作品は、贔屓目抜きに見てもいい作品なんじゃないかと思える出来になった。だからこそ、もうすぐ控えた結果発表には期待と不安が一層強く混ざっている。
「そんな事より、お前も今回出品側の人間だろ?大丈夫なのかよ」
「うーん、やっぱり一年にはまだ難しいからねぇ。完成はするけどさ、あんまり自信はないよ」
「そっか」
弟は俺と同じ高校に進学し、さらに同じ美術部に入部した。俺が中学では帰宅部だったのに対して、弟はサッカー部だった。どれほどの実力なのかまでは知らないが、レギュラーとして普通に活躍していたと親から聞いた覚えがある。
そんな弟が、もっと上のレベルを狙えた筈なのに、『家から徒歩で通えるから』なんてつまらない理由でランクを一つも二つも下に落とした高校へと進学し、更にはサッカーをスッパリ辞め、今度は文化部に入部したのだから、いやはや天才の思考はよく分からないものだ。
「まぁでも兄貴が描いてるの横からチラッと見てたけどさ、メチャクチャ頑張ってたし、実際自信もありそうだから、今年は金賞ねらえるんじゃない?」
陽介が茶化し混じりで横から肘で続いてくるのをヤメロと手刀で払いながらも、やはり自分も期待の方が大きいのか、
「だといいけどな」
と少し笑いながら返していた。

****

「お〜い!月兄!陽介!もう部室前にコンクールの結果発表、貼り出してあるみたいだよ!」
空が大きく手を振りながら駆け寄ってくる。
そう、通学路の落ち葉に季節を感じたあの日から数日経った今日、待ちに待ったコンクールの結果発表当日を迎えた。
学校に到着し、自分の教室へと向かおうとしていた俺と陽介のもとへ駆けてきた女子高生は空。家が近所で昔から幼馴染として俺達兄弟と仲良くしてきた彼女は学年で言うと俺の一つ下にあたり、中学、高校とサッカー部のマネージャーをしている。
陽介と同様、小学校からずっと同じ進路を歩んできて、同じ高校に入学した後もこうして小さな犬が飼い主に懐くかのようにニコニコしながら俺達の所へとよく駆けてくる。兄貴離れしろよ、などと茶化しながらも、そんな様が何だかんだ愛おしく思えてしまうようになったのは、一体いつからだったのだろう。
「おはよう空姉!もう確認してきてくれたんだね〜、美術部じゃないのに凄いよその行動力……」
弟は笑いながら言うが、内心俺もそう思う。サッカー部の朝練で学校に早く来たついでとはいえ、自分は関係ないのにマネージャーの仕事を終えたあと、その足で真っ先に確認をしてくれたことになる。陽介もそうだが、大概彼女も性格がいいんだよなぁ、と一つ下の女の子に感心させられてしまう。
「ねぇ兄貴、今から確認しに行こうよ!」
「ん?お、おう……」
陽介に半ば強制的に連れられつつ、俺達は美術部の前へと向かった。

****

別棟にある美術部前廊下。特別用事がない限り、この時間にここを歩く生徒はほぼ居ない、そんな学校の片隅にある美術部の入口のすぐ隣の掲示板に、コンクール結果が書かれた大きめプリントが張り出されてある。
俺達三人が到着した時にも案の定他の生徒の姿はなく、パタパタという俺達の足音が廊下の隅まで響いていた。
さて、気になる結果は……と指でプリントの文字をなぞりながら、入賞者の名前を探す。
「ええと、秋山……月人……」
そうして金賞の項目を見つけた。僕は1年間夢見たその項目を、ゆっくりとなぞる。

「金賞……」


俺は、読み上げた。


「金賞……秋山……」


そこに書かれた、幾度となく口にしてきた、


「陽介」


弟の名を。

「えっ……」
プリントの前に立つ俺の後ろに立っていた陽介と空が声を漏らす。
俺がプリントを指していた指を下ろし、スッと横に逸れると、そこに入れ替わるようにして空が入ってきて、歓声を上げる。
「すごい!すごいよ陽介!一年生で金賞だよ!おめでとう!しかもほら見て、銀賞には月人兄ちゃん!二人揃って入賞!」
空の嬉しそうな声が静かな廊下に響き渡る。空はまるで自分のことのように喜び、陽介の手を取りながら、満面の笑みでピョンピョンと跳ねていた。
「あ、ありがとう……」
そんな空とは対照的に、当事者である陽介はどこか固い笑みを浮かべながら、チラリと俺のほうを見た。
……あぁ、お前は本当に察しがいいんだよな。
陽介が何か言いたげに口をぱくぱくと動かしては閉じるのを繰り返している様を見て、俺は肩をポンと一度叩いて、
「おめでとう、陽介」
と言って、美術部に背を向け自分の教室へと歩き出した。
「兄貴!」
静かな廊下にパタ、パタと規則的に響いていた足音が次第に乱れ始める。自然と自分の歩が速くなり始めた所で、後ろから陽介に肩を掴まれた。
「兄貴、その……」
呼び止めたものの何を言うべきか纏まらないのか、陽介はバツの悪そうな表情をしたまま視線を足元に落としている。
俺はそんな陽介の顔を見たまま、
「陽介、お前ってすげえよ」
ポツリと言葉を漏らした。
「何だってすぐ出来るし、すぐに俺より上に行っちまう。俺のほうが兄貴なのにな」
まるで身体に鋭い刃物を刺され、ドクッ、ドクッと鼓動に合わせ血が吹き出していくかのように、今までずっと秘めてきた気持ちが勝手に口から漏れ出す。
「俺が本当はお前よりも優れていて、いつも背中を追いかけられるような存在でいる。それが兄貴なのにな。全然そうはなれねぇや。ごめんな」
「兄貴、そんな事は」
陽介が何かを言おうとするが、俺の口から溢れる言葉はそれを遮り、なお止まらない。
「俺は! 俺は……お前が羨ましいよ。俺の欲しいものは全部お前が持ってる。俺には何がある? 何にもないんだよ! 俺の出来ること! 望んだもの! 愛しい人だって……全部お前の方が上手く持ってっちまう! お前の周りはいつだって綺麗なもので溢れてるよ! でもそれはお前の一番近くにいる俺も同じ訳じゃない! お前が太陽みたいに輝いてるから! 皆がその光に惹かれて集まるんだよ! 同じように出来ないかなって、俺もお前みたいになれたらなって思った事もあった! でも駄目だったんだよ! 俺にはお前と同じようには出来ない!」
分かってる、分かってるんだ。今言っている事のなかに何一つ陽介が悪いことなんて一つもない。自分が上手く行かないだけのことを、勢いに任せてぶつけてるだけの八つ当たりだ。このまま続けたら、きっと勢いに任せて良くないことを言ってしまう。そんな気がした。
ダメだ。これ以上は。
「違う、兄貴……!」

ダメだ、やめろ

「俺はッ!」

ダメだ

「俺は……お前がいる限り、この世に必要の無い人間なんだよ」
俺は、そんなことを思っていたのか?
最後の一言を言い終えた後、さっきまで身体中を燃え上がらせていた熱が、一気に温度を失っていく感覚に襲われる。違う。そんな事はない。そりゃ確かに優れた弟を羨むことなんて幾らでもあった。でも、俺はそれと同時に陽介のことを誇りに思っていたんだ。やめてくれ、陽介。そんな顔をしないでくれ。今言ったのは俺じゃない、そう。別の誰かだ。俺じゃない誰かが俺の身体を使って悪戯をしたんだ。何か、何か言わないと。今のは冗談だって、ごめんなって謝らないと。
「あ……」
俺が口を開いた瞬間に、パタパタと音を立てながら息を切らした空がこちらに駆けてきた。
先程は何も気付かなかった空も流石に二人の様子と雰囲気からただならぬ状況であることを察したのか、少し言葉を選びながら
「ちょっと……二人とも……」
と途切れ途切れに何かを言おうとした。しかしその刹那、廊下に予鈴が響き渡る。
陽介と空を前に何を言うべきか、まるで頭が纏まっていない自分にとっては救いの鐘とでも言えたその鐘を理由に
「……じゃあ俺、教室行くから」
と俺はその場を立ち去った。
今度は後ろから呼び止められることは無かった。しかし、最後に見た、普段無邪気に笑ってばかりいる弟の、今にも壊れそうな表情がいつまでも脳裏に焼き付いていた。

****

『月兄、ちょっといい?』
学校から帰宅し、部屋の中でただベッドに突っ伏していた俺に、空から連絡が入った。
あれから一日陽介とも空とも顔を合わせることも無く、引退となった自分は部活動のある陽介たちよりも早く帰宅し、一人部屋に篭っていた。
空からの呼び出しに応じ、制服姿に適当なコートを羽織って近所の公園まで出掛ける。カーテンを閉じ、明かりも付けないで部屋にいた時には気付かなかったが、まだ日は落ちていない。かなり長い時間が過ぎたように思えていたが、まだ夕方になる手前といった頃合いだった。
「お前、部活はどうしたんだよ」
公園に辿り着き、ベンチに腰掛けている空を見つけた俺は、挨拶も何もない第一声を投げかけた。
しかし実際、いつも遅くまで活動をしているサッカー部のマネージャーがこの時間に帰路についていることなんてまず有り得ない。俺は少なからずそのことも気になっていた。
「体調悪いって言って、ちょっと顔出して帰らせてもらった。普段ちゃんと仕事してるからかもね、あっさり信じて貰えたよ。えへへ」
なんて笑って見せた空も、何処と無く元気が無いというか、少なくとも笑みを作っているのはよく分かった。
「急に話ってどうしたの?」
俺は素知らぬ振りをしてそう聞いた。
きっと朝の事だ、そんなの俺だって分かる。それでもこのまま微妙な空気を長く維持させたくないという思いもあり、話のきっかけを作ろうとした。
「朝。二人に何があったの?」
「…………」
案の定、朝の話を持ち出してきた空に対し、俺は何と返すべきなのか、言葉をただ探し続け、沈黙を返してしまった。
「答えてよ」
空の言葉に圧力が増し、俺は頭を掻きながら
「ただの兄弟喧嘩だよ」
と返した。
その返事を聞いた空は曇った表情を浮かべ、視線を落としぽつぽつと呟きだす。
「嘘。私、陽介にちゃんと聞いてきたんだよ? 陽介、月兄に辛い思いをさせてた、俺が居たから月兄は今までずっと苦しんでたんだって言ってた。そうなの?」
「それは……」
違う、とハッキリ言わなきゃいけない。
実際、俺はそんな事は思ってない筈だ。だけど今朝、不意に口をついたあの言葉が、本心じゃなかったのか、自分がどう思っているのか、考えれば考えるほど、自分すらその事が分からなくなっていた。
俺が言葉に詰まってるのを見ると、空は伺うように問いかけてくる。
「月兄は、そんなに金賞が欲しかった?」
「あぁ」
空の問いに、俺は小さく頷く。
「何で?」
そう問われ、ふと考え込んでしまう。
そう、俺は金賞が欲しかった。それは紛れもない事実だ。でも何で? どうして金賞が欲しかったんだ? そう考えると、不思議とその理由が出てこない。
好きなことで一番になりたかった、去年の受賞が嬉しかったから、それらは間違いのない事ではあるが、理由の全てであるかと言われると、どこか違う気がする。
「月兄は、陽介に何か一つ、明確に勝るものが欲しかっただけなんじゃないの?」
空の言葉に身体が跳ねる。そうなのか? いや、彼女に言われてはっきりと分かった。俺は形はどうあれ、陽介に対して劣等感を抱かなくて済むものが欲しかったのだ。
今まで色んな事に手を出しては辞めてきた。何でも自分より上手くこなす陽介と並ぶ事で、自分の才能の無さを自覚して、劣等感から逃げてきた。そんな中で陽介がきっと手を出さないだろう、これなら自分も頑張れるだろうという事をようやく見つけ、努力してきた。そんな所にまたやってきた陽介が、恐るべきスピードで自分の背後に迫り、そして今、自分を追い抜いていった。幾度となく繰り返してきた『当たり前』を、たまたま今回、少しの『期待』が悲劇に仕立てあげただけなのだ。
……なんだ、やっぱり結局今回も俺がダメなんじゃないか。そう思った途端、もう何もかもがどうでも良くなってしまった。
目の前にいる愛しい女性への体裁も、自分のこれから先のことも。全部全部どうでも良くなった気がした。
「月兄? 泣いてるの?」
「えっ?」
唐突に、空にそう言われて気づいた。俺の頬を、幾筋も、幾筋も、大粒の涙が流れ落ちている。
「あれ、なんだろ……ははっ。ダメだな……」
幾ら拭っても止まることのない涙。ぼやけた視界の先で、滲んだ空がまたゆっくりと、ゆっくりと問いかける。
「月兄は、銀賞って、嫌い?」
ああ、もう、ダメだ。
陽介と今朝話したときとは違うが、よく似た感覚だ。何か感情という大きな力に押し流されるようにして、俺の口から勢いをつけて言葉が飛び出す。
「好きな訳ないだろ! 二番だぞ! お前は陽介から何を聞いたんだよ! 俺はあいつに負けたんだ! 今回も! これから先だって! ずっとあいつには勝てないんだよ! それでいいなんて思う奴がいるかよ!」
まるで怒鳴りつけるように俺は空へと気持ちを吐き出す。場所も、相手も、何も考えていない。ただ自分の感情を、目の前にいる相手に思い切りぶつけた。それに対し、空は怯むこともなく、声を荒げる自分を真っ直ぐに、けれど優しく見つめ返して続ける。
「ねぇ、月兄は知ってる? 『銀』ってね、昔の哲学では『月』を意味してたんだって。逆にね、『金』は『太陽』を意味してたの」
「はは……は。なんだそれ……」
そうだ。『月』は『銀』で『二番』、俺にぴったりじゃないか。逆に『太陽』は『金』で『一番』。正しく俺達兄弟のことのようだ。
「ほらな、やっぱり」
「月兄、聞いて」
自嘲気味に口を開いた俺を制止しながら、空は続ける。
「確かに銀賞は、金賞より劣るものかもしれないね。でも銀賞は、月は、そんなに悪いものなのかな? 月兄は今、自分に銀賞が……月がぴったり似合う、自分はずっと一番になれない、そうやって思ってるのかもしれない。実際月は、本当に月兄みたいだよ。満月みたいにやる気で満ちたかと思ったら、いつの間にかぽっかり欠けちゃうことだってあるし。確かに太陽の陽介と比べたら、光の強さは少し劣ってるかもしれない。でもね、お日様が沈んだとき、真っ暗になった空を、世界を優しく照らしてくれるのはね。月の明かりなんだよ。月にしか出来ないの。ただ明るさが劣ってるっていうだけで、月が無くてもいい訳じゃないの。」
「空……」
「それにね?」
一言の後に、ゆっくりと深呼吸を挟んでからまた空は続ける。
「それにね、私だって。私だって、今の月兄みたいに苦しくなったり、悲しくなったりして気持ちが夜空みたいに真っ暗に沈んじゃう時があるの。そんな時にはね、いつだってお月様を探してる。太陽の光は眩しくて、明るいよ? でもね、太陽は夜空には眩しすぎちゃうの。お月様は優しく光っていて、満ちたり欠けたりコロコロ姿を変えちゃうからほっとけなくて、眺めてたらいつの間にか沈んだ夜空が段々明るくなっていって。そうして気付いたの。『あぁ、私はもうお月様から目が離せないんだ』って。明るさなんて関係ない。『月』を必要としてる人はちゃんといるんだよ。」
そこまで言うと空は一度俯き、軽く息を吸い込んだあとまた俺のことを見上げて微笑む。
「私みたいに、ね」
ふわりと空気を抱いた髪の毛が揺れた後に現れた彼女の顔は、今まで見たことのないような温かく、優しいものだった。
瞬間、頬を伝っていた冷たい涙が、温かくなった気がした。
結局、俺達兄弟の間で優劣を決めようとすれば幾らでも決められるのかもしれない。それでも、優劣なんか関係なく、俺のことを、太陽の代わりじゃなく月を月として必要としてくれている人が居る。少なくとも目の前に居る愛しい人はそう思ってくれている。それだけで、今まで心の中を厚く覆っていた雲が晴れたような気がした。
俺は無意識に、目の前で自分の肩くらいの高さにちょこんと存在している空の頭に掌を載せ、ゆっくりと撫でていた。感謝なのか、愛情なのか、きっと様々な気持ちが入り交じった末の行動なのだろう。やっている自分でさえ驚くような行動をとられて空は一瞬ビクッと驚いたようだったが、俯きながら何も言わずにその行為を受け入れていた。
「空、ありがとうな。」
俺は心からの感謝を伝える。空は俯きながらううん、と小さく呟き首を横に軽く振る。
「こんな最高の妹分が居るだけで俺は幸せ者かもしれないな?」
なんて少しおどけて俺が言うと、空は俯いていた顔を上げ、僕の方を少し見つめると軽く微笑んで頭の上から掌をゆっくり降ろした。
「……さて!月兄?お月様が今優しく照らしてあげなきゃいけないのは誰かな?」
とニヤリと笑う空の言葉でハッと我に帰った俺は、まだ一番大事な問題が解決していない事に気がついた。
陽介に謝らないと。仲直りしないと。
「ありがとう空。俺、行かなきゃ」
そう一言行って俺は駆け出した。

****

走る。
時刻は午後四時半過ぎ。美術部の活動は毎日最低でも午後五時まで行うことが決まりなので、この時間ならまだ陽介は学校に居る筈だ。
別に同じ家に住む兄弟なのだから、待っていればそのうち帰ってくる。しかし、今すぐ陽介と仲直りしたい。その気持ちが募った結果、俺は学校へと向かっていた。
「畜生、流石に、辛、いな」
途切れ途切れに言葉が漏れる。仮に同じ場面でも俺と弟が逆だったなら幾分も絵になるかもしれない。しかし、こちとら中高と自発的に運動せず生きてきた根っからの文化系である。大した距離ではないはずだが息は切れ、完全にバテていた。
公園から学校へつくのは午後五時前かと見積もっていたが、この調子だと少々超えてしまいそうである。その場合、最悪陽介が学校を後にしている可能性もあるため、できるだけ早く学校へと着きたい。
「待ってろよ、陽介。俺、やっと分かったんだ」
そう。俺は弟のことを尊敬もしていたし、嫉妬もしていた。とても立派な弟であり、兄の俺より優れた存在。だからこそ俺は昔からずっと弟とは別のことをしようとしてきた。それは弟に勝てる何かが欲しかったから……?そうじゃなかったんだ。俺は弟に勝ちたいんじゃない。優れてることを誇りたかったんじゃない。ただ誰かに、大切な人たちに、必要とされたかっただけなんだ。
空に言われて気付いた自分自身の気持ちが鮮明なものになるにつれて、自分のことで頭が一杯だった時には頭の片隅へと追いやる事が出来ていた、今朝見た弟の表情もまた鮮明に蘇ってくる。
どう思ったのかは分からない。けれど、きっと嫌な思いをした筈だ。そしてその原因が自分であるという事実に対して、俺は償わなければならない。
身体は重い。不器用な呼吸が更に胸を締め付ける。
だが走るんだ。お前は太陽だから、凄いやつだから、きっと俺が何もせずに居たって時間が経てば仲直りをしようと歩み寄ってきてくれるんだろう。でも、それじゃいけない。俺が月なら、お前が暗く沈んだ時には俺が照らしてやるんだ。
ふらふらになりながら校門をくぐった時、時計は午後五時十分を指し、校舎は真っ赤な夕焼けを羽織っていた。

****

「陽介!」
一日、叫んで走った末のガラガラになった声で弟の名前を呼びながら美術室の扉を開く。美術室に辿り着くまでに何人も部員達とすれ違った。コンクールが終わった直後だということもあるのだろう、ほぼ全ての部員が定時を境に帰路につくようだったが、その中に陽介は居なかった。下駄箱で靴を確認してから来たため、少なくとも校舎内、ほぼ確実に美術室にまだ居る筈だ。
窓から鮮やかなオレンジ色をした斜陽が射し込む美術室。その窓際で空色に染まった白いキャンパスを立て、椅子に腰掛ける陽介の姿があった。
「兄貴……」
勢いよく現れた俺を見て驚いたかのような素振りを一瞬見せた後、陽介は気まずそうな表情を浮かべながらこちらを向く。
そんな陽介の元へと俺は真っ直ぐ向かっていき、陽介の目の前で止まる。
「兄貴、その、あのさ」
「陽介」

言葉を探して歯切れの悪かった陽介に被せるように俺はもう一度、今度は落ち着いた声で弟の名を呼ぶ。
不思議なものだ。さっきまでの自分はきっと陽介と対面したら同じように言葉を探していただろう。だが今、あの時の自分が嘘のように心も頭も落ち着いていて、ただ真っ直ぐに陽介の目を見ることが出来た。
「陽介、さっきは本当にごめん。俺はお前に酷いことを言っちまった」
陽介は何か言いたそうに、けれど何も言わずに、視線を足元へ落としていた。
「あの時の言葉は……正直、嘘じゃないよ。でも、正しくはなかった。俺は何でも簡単にこなすお前の事が羨ましかった。どんなに努力したってお前のようになれないんだって思い知らされて本当に辛かった。けど、お前が居たら俺は居る意味が無いなんて、そんなことはなかった。正直、今はまだ、俺もその意味がちゃんと理解出来てないかもしれない。でもな、俺がまだ知らないことでも、気づいてない事でも、何かきっと意味があるんだって、またそう信じられる気がするんだ。その意味をこれからもずっと探していくから……俺が今朝間違ったことが、間違いだってお前にいつか見せつけてやるから、だからその……これからも、よろしく、頼む。」
陽介とこんなに向き合って、真面目な話をしたのはいつぶりだろう。思い返せば、そもそも喧嘩をすることもあまり無かった。俺の中にどこか『諦め』があったからなのか、単純に弟の出来が良すぎたせいなのか、その理由は分からないが、とにかくあまりに異質な状況であることと、弟相手に自分の心の中を包み隠さず真面目に話すその行為が何だか次第に照れくさくなってきて、話しているうちに視線は泳ぎ始めていた。最後に軽く頭を下げながら話を終え、ゆっくりと顔色を伺うように陽介を見ると、そこにはただ、呆然と涙を流し続ける陽介の姿があった。
「陽介?!」
慌てて俺が陽介の肩を両手で掴むと、呆然としていた陽介は次第に嗚咽を混じらせ、顔をぐしゃぐしゃにしながら口を開いた。
「っう……兄貴っ……俺……ほんと……っ、どうしたら良いのか……っ、もう……っ、嫌われちゃったのかなって……っ」
こんなに子供みたいに泣きじゃくる陽介を見るのはいつぶりだろうか。陽介はきっと、それほどまでに心を痛めていたのだろう。
考えてみれば当たり前だ、今回の件で陽介に非がある所なんて1つだって有りはしない。ただ俺の八つ当たりを受け、『お前なんか居なきゃよかった』と実の兄に言い放たれたようなものだったのだから、自分の立場でも傷つかない筈がないのは分かっている。しかし、動揺しきった俺は陽介が落ち着くまでゴメン、ゴメンなと言いながら陽介の背中を擦ることしか出来なかった。
暫くして陽介も落ち着きを取り戻し、瞳にたっぷり溜め込んだ涙を制服の袖で拭った所で俺はすぐ側にあった椅子に腰掛ける。すると、陽介がゆっくりと口を開いた。
「兄貴は本当に間違ってるよ。兄貴が居る意味が無い筈がないだろ。少なくとも、今までずっと一緒に過ごしてきた俺にとって、兄貴は絶対居なくちゃ駄目な存在なんだ。」
思わず、キョトンとしてしまう。
なんだって?
どんな事でも卒なく出来てしまう、これ以上ないくらい出来のいい弟。そんな弟に必要とされる理由が全く理解できない。
俺が頭の中でグルグルとその理由を考えていると、陽介はゆっくりと続けた。
「兄貴も知ってる通り、俺って中学の頃と部活も違えば、趣味だって頻繁に変わってるだろ?」
俺は頷く。確かに陽介は部活だけでなく趣味も昔とは違う気がする。例えばギターを始めてみたり、休みの日に出掛けては写真を撮って、今日は良いのが撮れたと自慢げに俺に見せてきたりと、本当に色んな事に手を伸ばし、その度に秘めた才能を垣間見ていた。
「色んな事をするのは楽しいし、好きだよ? でも俺も、何か一つ飛び抜けて夢中になれる何かをずっと探してた。色んな事に手を出したけど、モチベーションって言うのかな、長期的に同じ事を、やる気を維持したまま行うのが苦手みたいなんだ。色々と考えてやる気を維持しようとしてみたけど、無理だった。モチベーションを失っても、その状態でその何かをすることは出来るよ? でも、向上心がそこにはなかった。ただやってるだけ、遊んでるのと何ら変わりはないんだよ」
驚いた。俺から見たら、ちょこっとやればなんでも出来ているように見えていても、弟に言わせればその先へ何一つとして行けるものが無かったというのだ。
まさに天才の苦悩といった感じの、まるで自分とは次元の違っていそうな悩みを抱えていたんだなぁと、唖然としながら話を聞いていると、今度は陽介が俺のことを真っ直ぐ見つめ、そしてまた口を開いた。
「そんな時に兄貴を見たんだ。ちょうど去年の冬頃、絵を描いてる兄貴の姿を。正直普段はあんまり熱を見せない兄貴がただキャンパスと向き合って黙々と絵を描いていて、真剣で、でも楽しそうで。あぁ、俺にはここまで熱意を込めて何かを出来ないや、すごいやって。そう思った、心から尊敬したよ。俺も兄貴の後を追いかけたら、こうやってキラキラ輝きながら何かにハマれるのかなって、そう思った。だから無理言って兄貴と同じ学校に入って、同じ部活に入ったんだ。」
そういうことか。
何故、陽介が同じ高校に進学し、部活まで一緒の所に入ったのか。なんとなく誤魔化されているようで少しモヤッとしていた疑問の答えを、思わぬ所で知ることが出来た。
「兄貴と同じ部活に入って、毎日一緒に絵を描いて、今までの人生で一番何かを好きになれた時間だったし、結果として他人に最も評価してもらえるような作品を作れるようになった。でもそれは俺一人じゃ決してできなかった。兄貴がそばに居たからだよ、兄貴が居たから俺は頑張れた。兄貴が居なかったら、俺はきっと今までと同じように、成長することが出来なくなっちゃうんだ。だから、これからもずっと、兄弟として、仲間として、ライバルとして、一緒にやっていきたいんだ。」
瞬間、ぶわっと自分の中で何か熱いものが膨らんでいくような感覚になる。
なんて事だ。俺はついさっきまで、自分のことを必要としてくれる人なんて居ないと思っていた。しかし、空が、陽介が、俺の中の本当に大切な人達が、揃って俺のことを大切だと言うのだ。自分より何もかも優れてるとずっと思ってきた、そんな弟ですら俺が居ないとダメだと言う。夢でも見ているかのように信じられないことが、今、俺に向けてニコリと微笑みながら差し出された陽介の手と共に
目の前に存在しているんだ。

全く、世の中というものは上手く出来ているものである。
自分が心の底から求めていたものは、自分の一番近くに、ずっと前から存在していたんだ。
僅かに滲んだ視界の先に映る、沈みゆく夕日。夕暮れを迎える世界はこれまでと少し色を変え、窓から黄昏を孕んだ風が二人の髪を僅かに揺らす。
俺は差し出された手をしっかりと、しっかりと握り返した。


【おわり】