分かる人にだけ、分かればいいのです


先日、
「最終戦がすべてだし言語化はできない」と言いましたけど
少し日が空いて落ち着いてきたら
「逆に形にして残さねばならないのでは」と思うようになったので
つらつらと書いていきます。


日曜日、一つの節目が訪れた。

今月頭くらいには分かっていたことだし、
だからこそ、今までで一番気持ちが入った大会だった。

思えば、
俺は彼と初めて出会った時のことを、正直全然覚えてない。
ファミーズに居たな、くらいの感覚だったと思う。

だから、ここまで仲良くなったのはチーム発足前、
年始の初・夢大陸ポケカ会の後だったと思う。
いや、正式にはそのちょっと前、
俺と彼、それにスナさんとすずきたで飲み会をした時が大きなきっかけだろうか。

その頃は、別に彼個人と特別仲良かったわけではなく、
寧ろ、スナさんとセットで行動しているイメージがあった。
勿論、それは彼らが、俺と出会う前から交流があったことが原因だと思うし、
それが悪いことだとは全く思ってないけれども。

で、先述した夢大陸ポケカ会以降、
集まる機会が多くなり、
今のように毎週末に1、2日共に過ごすようになって。
チーム縁が発足した際の創設メンバーとして、
「ただの友達の一人」から
次第に「仲間」みたいなものに変わっていって。

で、CL千葉のあたりで
彼だけチーム内で当選して行ってきて、
そこそこの成績を残して帰ってきて、
正直その頃の彼は、尊敬する人に対する感情が
尊敬というより崇拝じゃね?くらいに傍から見てて思えたから
今後、大丈夫なんかな・・・と思ってた部分があったりした。

でも、完全に杞憂だったね。
その後の彼はモチベーションの起伏があったりしたけれど、
いつの間にか崇拝のようにさえ感じた尊敬が、
何か自信のようなものにでも変わったのか、
その変化の理由こそわからないんだけど、
とにかく、主体性が出てきてめちゃくちゃ頼りになる存在になった。
気付いてるのかわからんけど、
多分、それくらいから身の回りで
構築のこととかで頼りだす人が増えてきたと思う。

その後、彼が唯一気にしていた(?)
マサラタウンカップでの実績という面で、
優勝という、これ以上ない成績を収めて、
めちゃくちゃ嬉しいと同時に、少し悔しかったのを覚えてる。
俺は準優勝以降、成績が落ち込んでいったし。

そうして、主に俺とスナさんあたりから
心配されてる対象だった彼が、
いつしかチーム内でもかなり頼りにされる存在になって。
多分この半年で一番「伸びた(という表現は適切ではないが)」存在だと思う。
上からっぽくて嫌な聞こえ方みたいだけど、
近いニュアンスで適切な言葉が見つからないので、
良くなった的な感じとでもとらえておいてほしい。


で。
チーム内で頼りになる存在になった彼だけど、
半エンジョイ勢みたいな集まりと化したこのチームは、
だいたい常に複数人で行動することが多い中、
彼は割と一人になりたがる時間が多いように感じた。
そんな時にたまたま一人でフラフラしてた俺が遭遇してた気がする。

だから、多分俺個人としては
チーム内で最も1対1で話した時間が長い相手なんだよね。

JCSの夜もそうだし、
今回のマサラの前もそうだし、
構築のこととか、環境のこととか、
たまには誰かの悪口みたいなことも言ったりしたけど。
今の構築だって、俺が作ったものが
そういう時間を経て、彼の手が加えられて、
いわば二人で組んだみたいなものになったわけで。


だからこそ、

だからこそ。

俺はこの構築で、もしかしたら最後になるかもしれないチーム戦を、
彼が俺らと一緒に居た一つの証として結果で残すために、
勝ちたかった。

あの日の俺が、
周りから見たらどういう風に見えていたのかわからない。
スナさんはその日の夜に心配したのか
「重圧を背負わせてごめん」って連絡してきたけど、
違うんだよ。
俺は重圧とか、チームのためとか、
そういうものを背負ってやっていたと言ったら格好はいいかもしれんけど、
単純に、彼と勝って、
最高のチームだったねって言って、
こんなにいいチームでもう共闘できないなんて勿体ないよねって、
そう思わせたかった。
また帰ってきたくなるよな、って
そう思わせたかった。

俺は初めて実家に帰るって話を聞いた時、
「まぁ事情はあるし仕方ないよな」って思ってて。
だけど実際、タイムリミットが迫ってくるにつれて
「帰ってほしくない」という気持ちも出てきて。
でもそれは我儘なことだから俺らは見送るしかない訳で。

だったら「帰ってきたくなるような場所」にして
色々解決したらまた来てくれるように願おうって
そういう結論に達した。


だから、あの日の俺は極端な話、
彼とお別れしたくない俺のために戦った。
結果的に、俺の力が足りなかった。
それだけの事なんです。
ほかのチームメイトも、デッキも、
勿論俺が負けた対戦相手も、
何も悪くない。
ただただ、弱い俺が悪かった。
そういう悔しさと、終わってしまった悲しさ、
そういったものがあの涙に繋がったと思ってます。


今の時代は便利なもんで、
遠く離れてたって毎日連絡が気軽にとれるし、
世間のポケカチームってこんなに近い距離で
活動出来てた方が珍しいかもしれません。

でも、一度こうして出会ってしまって、
「縁」が繋がってしまった以上、
物理的にだけだとは言え、その距離が遠のいてしまうのは
本当に寂しいです。

きっと、これからも
お互いにポケカを続けていれば会えるだろうと信じていますが、
今までと大きく環境が変わったら
続けていられなくなる可能性だって大いにあります。
僕は、少しでもその可能性を減らしたかった。
縁を切らないでいられるように、
口で言うのは容易いから、実現ができるように、
自分の出せる力を総動員して戦いました。

終戦
自分ではそこまで不利とは思わないマッチアップなのに、
スタートから思うように動けない、
どんどん悪くなる盤面、
既に決していた試合結果から、負けられない状況下で
ゲームにすらならないまま敗北していったとき、
普段なら「事故ったから」とか「こういうときもある」とか
何かしらの理由を付けていたと思いますが、
あの時ばかりは、そんな軽い言葉で済ませられなかった。
今思えば、対面のササキさんを始め、
周りの人たちの目には
酷い姿に映っていたんだろうなぁと思います。


もう出てしまった結果は覆らないし、
大会を通して彼らと戦えたこと、一緒に勝ちを目指したことは
一生記憶に残ると思います。
あんなに感情が乗ったポケカは後にも先にも出来ない気がします。


残されたわずかな時間を
大事なものへと変えられるように、
精一杯、楽しくやっていこうと思います。


俺はこのチームが大好きだ。